2011年2月23日水曜日

じゃあ、平衡ってなんなのさ?

XLR(キャノン)プラグの場合、AES規格で


1番:グランド
2番:ホット
3番:コールド

とされています。

前回のブログにおいて、グランドはコールドとも云う。と書きました。

えっ!じゃあ、グランドとコールドは同じなの?って事になります。

ホットに対する対義語なので、電気用語的には同じです!

じゃあ、ここで云うコールドとはなじゃらほい?

ザックリ説明すると

ここで、改めて平衡接続について説明すると、
平衡とは基準、正位相、逆位相の三線構造の事です。
対ノイズに優れ、微弱な信号を効率よく伝える構造とされています。

図が汚いですが、赤と青はミラーイメージになるわけです。

つまり、正位相(ホット)に対して逆なのでコールドなわけです。

1番:グランド(基準)
2番:ホット(正位相)
3番:コールド(逆位相)

となります。
なので、電気用語としてのコールドとは少し、意味が違い、説明する時にややこしくなるのです。

だれだ!コールドとか言い出したヤツ!

では、なぜノイズに強く、微弱な信号を伝えやすいのか?

本来の信号線では、ホットとグランドで回路として成立します。
では、コールド(逆位相)がなぜ必要なのか?


逆位相の信号は受け手となるミキサー等の機材内で、位相が反転されます。
つまり、ここで正位相となりホットと同じになる訳です。
この信号は2番のホットの信号に加算されます。
信号は同一の波形が加算されると増幅されます。








これにより、電位差が増幅されゲインが稼げる訳です。














では、次になぜノイズに強いのか?

これも理屈は同じです。

外来ノイズは配線の途中から乗ってくる電磁波等が主な原因です。
配線が長ければ長いほど外来ノイズが乗りやすくなると言えます。
しかし、マイクケーブルなど、音源からミキサーまでは往々にして長距離になりがちです。

そこで、平衡接続を利用すると、音源から乗ってしまったノイズは別として、


この様な波形になります。(グリーンのギザギザで描いた波形をノイズとして観て下さい)
音源の信号はホットとコールドでミラーイメージですが、配線の途中から乗って来たノイズの信号は
どちらの配線にも同一の位相として侵入してきます。

これを、受け手となるミキサー等で、コールド側の位相を反転すると


この様に、ノイズの信号はコールド側で逆位相となります。
コールド側の信号は反転した後ホット側の信号に加算される訳ですが、
正位相に逆位相の波形が加算されると、波形はお互いに干渉し合い減衰して打ち消し合ってしまいます。




図が汚くて申し訳ないのですが、グリーンのギザギザが先ほどより小さくなっています。
同じ位相を加算すると増幅されるのと逆の理屈です。

この理屈はギターのハムバッキングピックアップやBOSE社のノイズキャンセリングにも応用されています。

これに加えて、マイクケーブル等の配線材はシールドと呼ばれる網状の配線で芯線が覆われており、外来ノイズをここで絡めとる仕組みになっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿